ストレス・カーブの真実No.2

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最終更新日:
2007年11月21日(水)
19:38
 
 
2835
本日の日付:
2017年4月24日(月)
0:46
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ここでは、一般的に使われているGarrisonさんの、ストレスカーブによる設計と、Maxの曲がりによる設計の違いをもう1つ明らかにしましょう。

Garrisonさんの計算式、全てのロッド部品の重さに4を乗算してモーメント計算を行うことの意味を考えてみましょう。  4を掛けるという意味は、地球上での重さは、宇宙的視点では、質量 x 重力加速度(地表1mにおける)、 という公式で表わされます。 一方、宇宙的視点で、ロッドを一定の加速度で動かす場合に働く力は、 力=質量 x 加速度と言うことになります。

DynaRodでは、計算はすべて宇宙的視点で計算していますので、全てのロッド部品(含むロッドセクション)の重さを質量に換算して計算しています。 そうすると、 Garrisonさんの4を掛ける意味は、ロッド全体、つまり、ライン、トップガイド、スネークガイド、ストリッピング・ガイド、竹、フェルールの質量がすべて重力加速度の4倍の加速度で平行に動いている、という意味になります。 つまり、下図のような、ロッドの動き(右から左へ)を想定していることになるわけです。 平行移動、Translated Rodというキャスティングの方法になります。 つまり、ロッドを立てたまま腕を前に押し出す。 Garrisonさんは、こういう前提でロッドを設計していたことになります。 このキャスティング方法は主にトーナメント・キャスターの方が使う投げ方だと思います。

wpe6B.jpg (33914 バイト)

すると、ロッドは下図のように曲がります。(DynaRodによるシミュレーション計算)。 このロッドの曲がり方は、第一共鳴振動数による曲がりです。 この曲がり方が、もっともロッドのバット部にライン重量を乗せることが出来ます。 従って、もっとも大きい力をロッド上に溜め込めると考えられるわけです。 一般的には、ロッドに目一杯負荷が乗った、というような感覚です。

wpe6D.jpg (41689 バイト)

一方、実際の釣りでは、こういう投げ方はあまりしないのではないでしょうか。 たぶん、下の図のようにロッドを振っているのではないですか? ロッド自体がグリップを中心にして回転しているので、Rotated Rodというキャスティングの仕方です。

wpe6E.jpg (39156 バイト)

実は、この曲り状態は、第2共鳴振動数(あるいはそれに近い振動数)による曲がりです。 ロッドを軽く上下(あるいは左右)に交差させるように振ると、この状態になります(グラフ中、一番左の曲りの状態)。  ロッドに乗る負荷が上の例に比べると小さくなります。 このことは、2つの例のようにロッドを実際に振ってみると手で感じることができます。 頭で考えてもわかりますよね。 ロッド先端は、同じ時間内により長い距離を移動しており、グリップに近い部分は殆ど距離を動きません。 加速度と言う点から考えると、明らかにロッドの先端側により多くの力が働きます。 極端にいうと、ラインの負荷をロッドの前半分で投げる、投げ方、という言い方もできるでしょう。

さて、今度は上の2つの例の、ストレス・カーブを見てみましょう。

Garrisonさんの、Translated Rodの場合は、ストレス・カーブは下図のようになります。 ロッド全体にほぼ均等にストレスが分布しています。(水色の線)

wpe72.jpg (47642 バイト)

一方、Rotated Rodでフォワード・キャストをした場合は、バット部のストレスは殆ど少ししか増えませんが、Tip先端部のストレスが高くなります。  おもしろいですね、両方とも同じロッドのストレス・カーブです。 (^^) 

wpe70.jpg (47948 バイト)

さて、本題に入りましょう。 

今Garrisonさんの方式でロッドを設計されている方は、自分がTranslated Rodキャスティングを前提にしていることをご存知でしたか?  このことを知らずに、マスターガイドにあるような、右下がりのストレス・カーブを描いてDimensionを計算すると、実釣ではバット部が超硬いロッドとなることが予想されます。  それでも使えるロッドは出来上がるとは思いますが・・・。

一方、お客さんから、実釣で使うティップアクションのロッドを作って欲しいと頼まれた場合、 全体に4を掛ける方式だけで、良いロッドテーパーが設計できると思いますか?  熟練した設計者なら出来るかもしれませんが、やはりバット部が、本来よりも硬いティップアクションのロッドが出来ているんだと思います。(^^) 使えれば良いというロッドなら、どうということは無いんですが・・・。  

DynaRodを使うと、このような誤謬による誤設計を避けることが出来ます。  
曲りをロッド設計の目標にし、キャスティングの前提をそれに当てはめることで、実際的なロッドの設計ができるのです。  もちろん、上記のような関係を理解した後では、ストレス・カーブによるロッド・テーパーの設計も可能になるように出来ています。

おもしろいでしょう?  実は、今よりも、もっと使いやすいロッドは、本当はあるように思えてなりません。

Max Satoh
2007年6月11日

 
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