旋盤選びの参考情報

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最終更新日:
2008年3月19日(水)
16:35
 
 
15582
本日の日付:
2019年3月19日(火)
10:43
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旋盤選びの参考情報


ロッド作りに旋盤は中心的な役割を果たします。フェルール、リールシート(フィラー、金具)の自作、
フェルールのマウント(竹の切削)、ロッドケースの自作、各種工具の製作、など、旋盤があればなんでもご自分で作れるようになります。将来はリールも作りたいなんてことも夢ではありません。

さて、旋盤がほしいけれど、どのメーカーのどの旋盤が良いのか、という悩みをお持ちの方は多いと思いますので、参考情報を上げておきます。ただし、旋盤は工夫次第といわれており、基本的な機構が満足していれば多少のことは工夫によって解決できます。この工夫がまた楽しくなってきて止められなくなります。(^^)
将来性:
最初はフェルールとリールシート金具だけ作れればいいや、と考えて小さい旋盤を買ったけれど、
ロッドケースや、Garrison式バインダーも作りたくなり、旋盤が小さ過ぎて(力が弱くて)使えない。なんてことが無いように、将来自分が作るであろうものを想定して選ぶことをお勧めします。
一回り大きいのを選んでおけば良かった、というのが大方の経験者の感想だと思います。
ロッド作りを始めたら作るであろうものは、次のようなものだと思われます。
第一段階 :フェルール、リールシート・フィラー(木)、リールシート金具
                フェルールのマウント(竹削り)、コルクグリップの成形
第二段階 :アップロック、ダウンロックリールシート(ネジ切り)、
                各種Jig、Garrisonバインダー、
                ロッドケース(キャップ、カラーのネジ切り)、など
第三段階 :4スレッドバインダー、リール(板の丸抜き)、オーブン用部品など
第四段階 :ビベラーなどの装置や部品
* 対応の良いメーカーを選ぶ
技術的な問い合わせや、問題点への対応のよいメーカーや、販売業者をえらびましょう
経済面:
*必需品が標準装備されているものを選ぶ
3爪スクロールチャック、回転センター、ドリルチャック、ネジ切り機構、テーパー切削機構、主軸回転数調整機構などの必需品を別売りとしているメーカーがあります。必要なオプションを全部揃えたら別のメーカーの1ランク上の旋盤が買えてしまうなんてことがよくあります。
必需品 − 3爪スクロールチャック、回転センター、固定センター、ドリルチャック(10mm径をつかめること)、テーパー切削機構、ネジ切り機構(自動送り機構)、主軸回転数調整機構
騒音:
*騒音が大きいから小さい方が良いという考え方は誤りです。
殆どの騒音は、切削技術の稚拙さ(ビビリ音など)から来るものです。
ミニ卓上旋盤の場合、旋盤そのものの回転音は旋盤の大きさとはあまり関係がありません。
最も大きな音がでるのは、木の穴あけの際にでる軋み音かな。仲間内では通称”うぐいす”といっております。
機構:
*主軸貫通孔の径
長いものの先端を削る際には貫通孔に切削材を通さねばなりません。たとえば、20mm径のニッケルシルバーの丸棒からリールシート金具のキャップを作ることを例にとりますと、可能であれば、貫通孔は20mm径はあったほうが良いです。この貫通孔が使えない場合には、丸棒の方を5cm長程度に切りつめて貫通孔を使わずに旋盤を使うことになります。20mm径の丸棒を5cm単位に切りつめるには何万円もするマルノコやバンドソーを別途買わねばなりません。 手で切るのは、苦苦苦、です。 突っ切りバイトで突っ切る? 20mmを上手く突っ切れる突っ切りバイトってのはお目にかかれませんね。
*スクロールチャック貫通孔の径
主軸の貫通孔は20mm径あっても、スクロールチャックの貫通孔は18mm径しかない、という場合もありますので、この場合は、主軸貫通孔が18mm径であるのと同じ結果になってしまいます。 この点を見落としてあとで後悔する方が結構多いんです。
*心押し台のストローク
心押し台はチャックと反対側にあって、材の中心(センター)を押すのに使います。これによってスクロールチャックにかませた材が回転するときに、センターがぶれないようにするものです。

一方、材の中央に穴をあけたりする場合には、ドリルをドリルチャックにより心押し台にセットして材に向かって心押ししていきます。(ドリルチャック、ドリルにより心間はさらに短くなります)
この際の心押し台のストローク(前後の移動距離)の長さが使い勝手を左右します。
50mm程度は心押し台自体を移動せずに押せるものが使い良いですね。
10cmのリールシートフィラーに穴あけする際にもこの機構を使えます。(ボール盤を使う場合は別です)
*心間
心間とは、心押し台とスクロールチャックの間の距離のことを言います。この長さが長いほど長い材料を保持できることになります。この長さ以上のものを削る際には固定振れ止めなどで材を保持(回転させながら保持できる)して削ることになります。が、このばあいはセンターは使えません。
コルクグリップの成形やロッドケースの表面研磨などは固定振れ止めにて対応ができます。
通常旋盤の型式番号にこの長さが使われています。例:FL260Eは260mm、FL350Eは350mmということになります。
使用例:フェルール、リールシート、金具   −心間は短くて可
            コルクグリップ − 心間は約200〜250mm必要  
      (接着したコルクに金属棒を通して固定振れ止め使えば心間が250mmでも整形が可能です。  )  
*主軸回転数調整機構
旋盤は削る材料の性質にあわせて回転数を調整します。一般論として柔らかい材料は高回転で、
固い材料は低回転で廻します。 材に合わせて回転数を調整するのにベルトを架け替えるタイプの
旋盤はいちいち面倒で不便です。回転調整つまみ一つで無段階で回転数を調整できるタイプのものが最も便利です。
使用例: リールシートフィラー(木材)、コルクグリップ − 高速回転
            ニッケルシルバー材フェルール、リールシート金具など −中速回転
            ローレット掛け、姿バイトの使用 −低速回転
*ネジ切り機構(自動送り機構)
旋盤のベースの長さに沿って一本のネジを切った棒(親ネジ)が通っており、ギアの変速比によって回転数が変ります。一方刃物台下部にはこの親ネジにかみ合わせる機構がついており、親ネジの回転によって刃物台を一定方向に一定速度で動かすことができます。
刃物台を手で不規則に動かすことはバイトや材にに急激な変則的な力を働かせることになり、場合によっては材がバイトに食い込んだり、材がバイトに乗り上げて回転が止まってしまったりして、旋盤をいためます。

この機構はネジを切る場合には必須の装置になります。そのほか、一定距離を規則的に同速度で削っていく場合にも使用します。

使用例: ネジ切り、リールシートフィラーの外面切削、ニッケルシルバーの外皮切削(正円筒にするため)など
* 重切削切替え機構
重切削とは、板を丸く切りぬくとか、太目のドリルで大きな穴(16mm程度)を空けるとか、
長手方向に直角にバイトを当てて削るとか、摩擦抵抗の大きい切削、をいいます。
力の弱い小型旋盤では、この種の切削ができないものがあります。(回転が止まってしまいます。)

使用例:リールシート・リングやキャップ用に20mm丸棒に16mm径の穴あけ
            ロッドケースキャップ天板(アルミ材など)の切り抜きなど

*逆回転機構

主軸の回転を逆にする機構です。ネジ切りをする場合必須です。ネジ切りバイトで一方向にネジを切っていく訳ですが、何回にも分けてネジの谷を深くしていきます。その際、刃物台の位置をもとに戻すには、この逆回転機構を使ってネジきり機構の親ネジに刃物台をセットしたまま逆回転させます。そうすることにより再度、バイト先端が最初にきったネジの溝に合うようになります。
使用例:アップロック、ダウンロックリールシートの金具、ロッドケースのキャップ、カラーのネジ切りなど
*テーパー切削機構
通常旋盤は長手方向に直線的に削って円筒状の形を作るのは簡単です。円錐形や
円錐台形に削るには、テーパー切削機構が必要です。削る材のセンターをずらしてテーパー切削する技術もありますが、通常は刃物台を斜めにずらし、縦送りや横送り機構を使って斜めにけずる装置がついています。これをテーパー切削機構といいます。
使用例:フェルール(メス)外側のテーパーつけ、デプスゲージポイントの切削、
             リールシートキャップ外側や底部のテーパー切削
*ドリルチャック

ドリルや、リーマーを掴むチャックです。心押し台にドリルチャックアーバーを介してセットします。
ドリルチャックには掴むことができる最大径が決まっていますので、たとえば10mm径の穴をあけたければ、それに対応したドリルチャックが必要になります。10mm径は欲しいところです。小型の旋盤では10mm径がつかめないものもあります。
リールシートキャップの穴繰りを簡単に済ませられるノス型ドリルを使いたければ、最低10mm径のドリルが掴める必要があります。
*固定センター、回転センター
センターとは先端が60度になった円錐形の丸棒です。元の方はM2とかM3(モールステーパーと呼ばれています)とかのテーパーがついた台形円錐になっています。セットする主軸や心押し台の穴内部にも対応したテーパーがついています。固定センターは先端部が回転しないセンターで、回転センターはベアリング機構により先端が材といっしょに回転するようになっています。材にセンターが入る60度Vの穴を作らねばなりません。そのためのドリルがセンター穴ドリルです。
その他

*面板

金属板を円形に切り抜いたり、スクロールチャックではつかめないような材を止め具で取りつけて回転させます。 中心に穴のあけられない円盤などを加工するには面版が必要になりますね。
*4爪インディペンデント・チャック
断面が円形でないものを掴む時に使います。
正方形の板の対角を挟んで中央部を円形に切り抜く、四角断面の材木を円筒状に削る場合など
スクロールチャックが、一個所で3つの爪を同時に開閉調整できるのに対し、インディペンデント・チャックは爪の一つ一つをネジで調整して締付けます。
*回し金
細長い材を両側をセンターで押しながら回転させるのに使います。回し金を材にとりつけ、
主軸面板についた出っ張りでこの回し金を廻します。

FLシリーズ旋盤フルセットには上記が標準装備されています。貫通孔20mm径の大型スクロールチャックが別売りで用意されているのはこのシリーズの旋盤だけです。

 
 
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