ワカサギ竿の製作 1 竹の素材選び、曲がり直し、スパイン出し

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最終更新日:
2011年2月19日(土)
8:38
 
 
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本日の日付:
2017年5月30日(火)
16:23
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ワカサギ竿の製作 1 竹の素材選び、曲がり直し、スパイン出し
来月わかさぎ釣りに行くことになったのでワカサギ竿とリールを購入した。

どうせならと電動リールのついたものを、とDAIWAのクリスティア、リール・ロッドキットを購入した。 

ついていたロッドというのは、幅が5o位、長さ20p位の薄いビニールのようなもので厚みにかすかなテーパーがついている。 見た目ペラペラの感じだ。 風の吹いているところでは使いにくそう。  これにガイドが5個取り付けられている。 ロッドの根本には、パイ5oのプラスチックの丸棒がついている。 丸棒を二つに割ってロッドを挟んで固定してある。 

リールにはやはり5oパイの穴が開いており、ロッドの根本のプラスチック丸棒をこの穴にセットする。 つまり、取り換え可能なのだ。 これが購入のきっかけとなったわけ。 自作の竿を取り付けて使おうという魂胆なのだ。

リールは単4電池2本で約4時間(常温)、寒冷地では約2時間の連続使用が可能、というスペックだ。ロック、フリー、巻き上げ、の3ポジションのスイッチがある。 また、このリール、パソコンのマウスそっくりにできており、右ボタン、左ボタンがある。 このボタンは、ロック状態で押すと、押している間だけは巻き上げる、という仕組みだ。 つまり、底を取った後で、クリックすると、底立ちをとれるということ。 これは、底にいるワカサギを釣るために必須の機能だ。

さて、今回は、電動リールに取り付けられるワカサギ竿の製作過程をご紹介したいと思う。

 ワカサギ釣り、と一口に言っても、いろいろなバリエーションがあるようだ。 氷上での穴釣り。 ドーム船での穴釣り。 ボート釣り。 防波堤(湾内)でのワカサギ釣り。(ワカサギって海でも釣れるんよ)

その差は、釣りをする際の深さや、季節、場所、などによって現れる。今回は、氷上、あるいは、ドーム船での穴釣り、で使える竿、言い換えると、深さ4m〜15m位、使うおもりは、0.5g〜8g位を意識している。

おもりのレンジ、0.5g〜8gで調子よく使える1本の竿というものはあり得ない。 感度(敏感さ)を度外視すれば、8g用の穂先を使えば、8g以下のおもりには耐えられるわけであるが、食いの渋い、小さなワカサギを釣りたい場合には、やはり、竿先の感度がものを言うのだと思う。

リールに付いていた竿は、0.5g〜1g程度のおもりまでしか使えない。 それほどペラペラなのだ。 1gをぶら下げると、竿先は下を向いてしまうほどに曲がる。 だから1gでも使えるだろうが、感度よく使えるおもりというと、0.5gが最適ということになる。

というように、ワカサギ竿は、おもりに対する感度を維持しつつ、何種類か持っていたほうが良さそうなのだ。底が深い場合は重めのおもりでないと、エサが底に着くまでに、ドエライ時間がかかってしまうし、浅場で釣る場合は、できるだけ軽いおもりで最少の感度までを竿先で感じ取りたいわけなのだ。

そこで、まず竿に使う材料選びが大事である。 いろいろ調べると、自作用の穂先というものが各種売っている、が、私は竿師なので、やはり自然に存在する竹をその材料に選びたい。 フライロッドのように六角にすると、0.5g、1gという軽い感度のものを作るには、かなり繊細な削りが必要である。 また、そんな手間はかけられない。 次に浮かんだアイデアは、リールに付いていたロッドと同様に、竹を同幅の長方形に削り、厚みを落としててーぱーをつける方法。 一人の釣り師として、そんなん竿やない、という感覚が強い。 つまり嫌いなのだ。竿に作るならやはり、手元から竿先にかけて次第に細くなっていく、あの竿の感覚で釣りをしたいんだな。

さらに考えて、天然素材に行き着いた。 我が家の門を飾る細い黒竹の先っぽは、なかなか良さそうなのだが、ワカサギ竿にするにはやや硬いようだ。 いや、ちょうど良い枝もあるのだろうけれど、ワカサギ竿にすることを意識していなかったので、そのように細い枝は取貯めていなかったのね。 さらに考えると、ちょうど良いものがあった。

 そう、庭を掃くための竹箒。 あれは、真竹の枝を束ねて作ってある。

使い古しのものが一つ物置に入っていた。 大半は細すぎて使えないが、よ〜く選ぶと、ちょうど良いものが見つかった。 が、曲がりくねっている。 竹を削る方法だと、スムーズに細くなるように削れるが、天然の竹を使う場合は、節が飛び出していて、かつ、曲がりくねっている。 この曲がりをどう制するかが竿師の心意気なのね。

下の写真は、黒竹の穂先と、竹箒から採取した穂先を並べたもの。 左の2本は曲がり直しをして真っ直ぐ(?)にしたもの。 右の2本は天然状態のものだ。



こんなに曲がったものが竿になるのか? と疑問視する向きもおありでしょうが、和竿の世界にはその技術なるものが存在するのだ。しゃくり矯め、という技法だ。 男竹(真竹や破竹など)の枝先は分岐するために枝になる繊維の分だけ減らしながら先へ伸びていく。だから枝のある部分では、節の上は平らになっており、断面はほぼ半円に近い。 この節の部分が真っ直ぐに見えるように曲がり直しをしていくと、全体としては直線的な竿となるのである。 長目のS字をつないで直線にする、みたいな感じです。

最初は、下の写真のようになっている。 中央の節の上のほうに分枝が出ていたんだな。 分枝をカットしたのが下の写真。



次に、この分枝の根本を切り出しナイフを使ってきれいに取り去る作業を行います。 するとこんな状態になる訳だね。



そして、火入れ、曲がり直しをするわけだね。 この曲がり直しが竿作りのエッセンスといってもいいですね。竹が細いので燃やさないように、ライターであぶり、湧き出てくる汁をふき取り、冷めないうちに曲がりを直し、そして冷やす。そうやって作ったのが、各種の弾力を持つ何種類かの穂先。 下の写真です。



竹類は表面のエナメルに脂分を含んでおり、熱するとこの油分がジュワっと浮き出てくる。 これを放置すると黒ずんで汚くなるので、熱いうちにふき取る必要がある。 これを繰り返していると、自然に火入れをしていることになり、竹が乾燥して弾性が上がるのだ。それから十分に竹を熱してから曲げたり伸ばしたりしないと、折れてしまう。 必要なだけ熱せれば柔らかく、扱いやすいが、冷えた状態で竹を曲げようとすると簡単に折れてしまう。

素材選びの際の注意点:

竹を選ぶ際に、期待する重さのおもりを先端にぶら下げてみる。 期待する曲がり方の竹を選ぶ。時間をかけて加工するわけだから、これを最初にやっとかないと、完成してから違うということになってしまう。

曲がり直しの目標:

曲がり直しといっても、節のある竹を、ほんとに直線にするわけではない。 真っ直ぐに使える状態にするわけだ。竿って右に左にくの字になっていても、上下にはきれいな弾性を示すわけ。 この際、左右のバランスが取れていることが大事なのだ。竿は上下に使うわけでしょ。 その際に、竿先が右や左にぶれると使いにくいわけ。 従って、曲がり直しをこの辺でやめようという時点は、竿先を下に引っ張ってみて、ぱっと離す。 その際に竿自体が、左右にぶれずに、上下にのみ動く。 この状態ができれば、曲がり直しは完成です。

スパイン(背骨)の決定:  

うまく上下にのみ動く真っ直ぐな(?)竿ができましたら、今度は、上下を反対にしてみてください。 曲がり方(つまり弾力)が違うでしょう。この弾力の違いで、どちらを上に、あるいは、下に向けたほうが、竿としての性能が良いのか、というのがスパイン(背骨)出し、の判断です。  硬い方を採用すると、ぴんぴんとした弾性、柔らかい方を選ぶと、竿先は硬い方よりも、やや下を向く柔らかな弾性の竿になります。 おもりをぶら下げた状態で維持するので、私は硬い方をスパイン(背骨)として使うのです。

個人的な好みですが、私は、おもりを下げた状態で、竿先が10度程度下がる位がちょうどよいと思っています。リールに付いてきたロッドのように、1gのおもりを下げると、竿先が下を向いているのは、感度の点で鈍だと思います。

日本には、さらにタナゴ釣りという面白い分野があります。 寒風吹きすさぶ中、鼻水をたらしながら、大の大人達が、3p以下のタナゴの小ささを競う釣りです。 針もワカサギ用の小ささとしのぎを削るわけで、縫い針から針を自作する人もいるそうです。 とにかく、道具に凝って漆塗りの道具箱とか、超高感度のタナゴ竿とか、お金持ちの道楽的な釣りの世界があるのです。 いつかやってみたいですね。(わしゃ貧乏だけど・・・)
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