シルクラインの太さ

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最終更新日:
2019年11月3日(日)
14:35
 
 
8534
本日の日付:
2023年5月31日(水)
0:1
無印良品・未塗装シルクフライライン
一般に、シルクラインは近代のケミカル・ラインよりも細いと言われています。  恐らく、それは、ケミカル・ラインよりも、シルクラインのコーティング素材の比重から来るものだと考えられます。  ケミカル・ラインは、よく浮く素材の研究がなされていて、昔ながらのシルクラインのコーティング素材よりも比重の軽いものが使われているのでしょう。

NAACC (National Association of Angling and Casting Club)という歴史ある団体が規定しているラインの表現法があります。 NAACCとは、プラグ(ルアーの一種)やフライのDistanceやAccuracyなどのトーナメントを主催するあの団体です。 NAACCでは、下表に示すように、フライラインの表現に、太さを示すサイズ・コードを使っています。 コーティング素材が一定であればラインの重さは、素材が染み込むラインの直径に比例することになります。 自分で作るシルクラインのコーティングは、恐らく、昔も今も同じものを使っているとみなしてもよろしいでしょう。 表は、当然のことながら、コーティングした後の直径を表しています。

サイズ・コード  直径(インチ/mm)  範囲(+-0.0025インチ/ mm) 
I  0.022 / 0.559  0.0195-0.0245 / 0.495-0.622
H  0.025 / 0.635 0.0235-0.0275 / 0.597-0.699 
G  0.030 / 0.762 0.0275-0.0325 / 0.699-0.826 
F  0.035 / 0.889  0.0325-0.0375 / 0.826-0.953 
E  0.040 / 1.016  0.0375-0.0425 / 0.953-1.080
D  0.045 / 1.143  0.0425-0.0475 / 1.080-1.207 
C  0.050 / 1.270 0.0475-0.0525 / 1.207-1.334 
B  0.055 / 1.397  0.0525-0.0575 / 1.334-1.461 
A  0.060 / 1.524  0.0575-0.0625 / 1.461-1.588 
AA  0.065 / 1.651  0.0625-0.0675 / 1.588-1.715 
AAA  0.070 / 1.778  0.0675-0.0725 / 1.715-1.842 
AAAA  0.075 / 1.905  0.0725-0.0775 / 1.842-1.969 
AAAAA  0.080 / 2.032  0.0775-0.0825 / 1.969-2.096 


一方、AFTMA (American Fishing Tackle Manufacturers Association)では、フライラインの番手を、先端30フィートの重さ(先端のティップ部3フィートを除く)で規定しています。下の表は、AFTMAの重さによる番手とNAACCのサイズ・コードとの対応関係です。 ラインの太さは、あくまで目安です。 表中グレイン=0.064グラム。
番手コード  重さ(グレイン)  範囲(グレイン)  シルク
DTライン 
シルク
WFライン 
ナイロン
DTライン 
ナイロン
WFライン 
#1  60  54-66         
#2  80  74-86         
#3  100  94-106  IFI  IFG     
#4  120  114-126  HFH  HFG     
#5  140  134-146  HEH  HEG  HDH  HDG 
#6  160  152-168  HDH  HDG  HCH  HCF 
#7  185  177-193  HCH  HCF  GBG  GBF 
#8  210  202-218  GBG  GBF  FAF  GAF 
#9  240  230-250  GAG  GAF     
#10  280  270-290  GAAG  GAAF     
#11  330  318-343  GAAAG  GAAAF     
#12  380  368-392  GAAAAG  GAAAAF     


現在では、ライン番手の決定には、AFTMA式に先端のティップ部を除く、30フィートの重さによります。 ロッド設計では、この重さを負荷前提としてテーパー計算をしています。シルクラインをコーティングする場合の、目安として参考になれば幸いです。
シルクフライラインのコーティング
シルクフライラインの太さ
 

条件で変わるシルクラインの太さ


一口にシルクラインを編むといっても、結果出来上がるシルクラインの太さは、いろいろな条件に左右されます。

同じ量の絹糸でも、編む糸数を増やすと細くなる。 太さAの絹糸8本編みと、太さがAの半分の絹糸16本編みを比較すると、細い糸で編んだほうが細いラインとなる。 太い糸では、網目の糸と糸の隙間が大きくなる。

同じ太さの絹糸でも、撚りの強い糸で編むと、”結果的に”ラインは太くなる。 撚りの強い糸は、糸の状態では一本一本が細く見える。が、弾力があるため、編んだ後、放置すると、糸の弾力で編み目が戻る。 ブレイディングは、糸を交互に重ねているだけなので、硬く編んだとしても放置すると網目は緩んでくる。 結果、隙間が次第に大きくなり、ラインは太くなる。

糸のテンションを強くして編むと細く編みあがる。 が、上記により網目が緩むことがある。

塗装時に、強く引っ張りながら塗装すると細身のラインになる。逆に、ゆるく編んだラインや、強く編んでも緩んで隙間の開いたラインは、そのまま塗装すると太めに仕上がる。隙間に入り込む塗料の量が多くなるためである。 また、乾燥した塗料が糸の隙間を押し広げる。 適度なテンションをかけて塗装するのは、この性質の所為である。

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