スタンダード・フライを巻く

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最終更新日:
2019年11月4日(月)
10:57
 
 
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本日の日付:
2023年5月31日(水)
0:12
目次
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スタンダードフライを巻く

ここではスタンダード・フライの定番、ライトケイヒルを巻いてみましょう。

他のスタンダード・フライも巻き方は同じですからマテリアルを変えて、色々なスタンダード・フライに応用してください。

マテリアル

ジンジャーのハックルケープから長い羽と、短い羽を用意します。 長いものはテール材、短いものはハックルとして使います。

cahilhackle.jpg (41000 バイト)

まずスレッドで下巻きします。

cahilshitamaki.jpg (42351 バイト)

次にテールをつけます。

テールの材料は、ハックル・ケープから長い羽を1枚取り、下の写真のように逆毛を立てます。

cahiltail1.jpg (42213 バイト)上から下に指でしごくと、こうなります。

逆毛の立った片側を、親指と人差し指ではさみ、下に向かってむしりとります。 毛が4〜5本あれば良いので、あまり沢山むしる必要はありません。  できるだけ毛の先端に近い部分で、毛の先端部に光沢があると部分から取ってください。 

cahiltail2.jpg (44403 バイト)

毛の持ち替え

とった毛をフックの上に固定するまでに、何度か持ち替える必要があります。  持ち替える際に、毛をバラケさせると、毛先を再度合わせるのは、ほとんど不可能です。 再度、むしりからやり直しです。

うまく持ち替えるには、毛をつまんでいる指の片側だけを開くようにして反対の手の指に持ち替えます。 これを何度かやって、むしった毛の根元が右に来るようにして左手で持ち、フックの上に置けるようにします。

フックの上の毛は、スレッドで巻こうとすると逃げるので、真っ直ぐにフック上に巻きとめるのが難しいです。
コツは、毛をはさんでいる左手の親指と人差し指の先端部を少しだけ開き、毛をフックの上に置いたまま、スレッドを指の間に入れるようにして、下から上、上から向こう側の下に持っていき、下に引っ張って最初の一巻きを終えます。 この状態ができると、あとは普通に巻いても綺麗に巻き上がります。

テールを巻いたらスレッドをアイの側に巻いていき、ウィングを立てる位置に置きます。 目安はフックシャンクの3分の1くらいのところかな。

cahiltail3.jpg (41192 バイト)

ウィングを立てます。 ライトケイヒルは黄色のダッククイルを使います。 ダッククイルの先端部を残し、他は逆毛状態にして分けます。 先端部の芯をカットしてYの字のような形にします。 Yの字の分かれ目の下の部分にスレッドを2回ほどゆるく巻きます。

cahilwing1.jpg (42566 バイト)

ダッククイルをゆっくり慎重に引っ張って、適当なウィングの長さが右に残るようにして位置決めします。
そしてスレッドを強めに数回巻きつけます。

cahilwing2.jpg (43005 バイト)

スレッドを下に垂らしたまま、はさみでダッククイルを斜めにカットします。 段差がつかないように斜めにカットするわけです。

cahilwing3.jpg (42376 バイト)斜めにカット

カットした部分がスムーズになるようにスレッドでぐるぐる巻きます。 そしてスレッドがウィングの根元にくるように巻き進めます。 
下の写真は、ウィングを立てたところです。 ウィングを立てるには、上で巻きとめたクイルを左手で摘み上げ、ウィングの根元(アイ側)にスレッドを何回もぐるぐる巻きます。 立てたウィングの直近を巻くことで下駄を履かせてしっかりと立てるわけです。

cahilwing4.jpg (43603 バイト)

ハックルの準備

ハックルはケープの首の部分の短い羽からとります。 下の写真のように曲げてみて、毛足の長さがフックのゲイプ(曲がった部分の巾)程度か、やや長め位のものを選びます。

出来上がりの姿をよくしたければハックルは2枚使います。 プロが巻くスタンダードフライはハックルを2枚づつ使っていますね。 また、ぐりずりーとブラウンの2枚のハックルを使うアダムスが形よくできるのもハックルが2枚使われているからです。 が、ワシの場合は、ハックルが虫の脚のように見えてほしいのであえてハックルはアダムス以外は1枚です。

cahilhackle1.jpg (42618 バイト)

ハックルをフックに取り付けます。 取り付ける前に下の写真のように羽の根元部の毛をむしって置きます。

一言付け加えて置きますと、ハックルは取り付ける際に、羽の向き、にルールがあります。 というのは、スタンダード・フライの場合、横から見たときにハックルの毛足が前(アイ側)に向かっているのが正常です。 水面に浮かんだときに、あたかも虫が足を前方にふんばっているような感じに仕上げる必要があります。 これを可能にするには、羽の表(光沢のある側)を向こう側にし、羽の裏側が手前に来るように取り付けます。 まあ、逆になったとしても、それはそれで使えないということもありませんが・・・。

cahilhackle2.jpg (40163 バイト)

まずスレッドでアイ側にハックルの根元部を巻きつけます。  3回ほど巻いたら、アイの手前でハックルの根元をカットし、先端部をスレッドで巻き隠します。
続いて、ウィングの後ろ側にスレッドを巻きながら移動し適当な位置(1〜2mmくらいか)までハックルを巻きとめます。 

その後はハックルを巻かないようにして、スレッドをフックシャンクに巻きつけながら、テールのところまでスレッドを移動して置きます。

フライ・タイイングでは、このように次に何をするのかを常に意識して、次の仕事がし易くなるようにスレッドを移動しておくわけです。  スレッドをテールのところまで移動しておくのは、ボディをテール側から作っていくためです。

cahilhackle3.jpg (40464 バイト)  cahilhackle4.jpg (43868 バイト)

ボディーの作成

ボディーには黄色のダビング材を使います。 黄色けりゃなんでもえ〜です。 黄色の毛糸屑、ダッククイルのレムナント(根元についているふわふわした毛)など。 黄緑系も綺麗ですよ。

cahilbody1.jpg (45124 バイト)黄色のダブ。

少量指で取って、テール根元に垂らしてあるスレッドに拠り付けます。 ボディーを作るのに必要なダブの長さは、フックサイズにもよりますが、2.0〜2.5cmくらいでしょうか。 短めに拠り付けておくのがコツです。 足らなければ足せますけど、長すぎると途中でダブを取り除くのが大変です。

cahilbody2.jpg (40215 バイト)

テールの根元にダブの一番細い部分がくるように調節(空巻きなどして)してからボディーを巻いていきます。 すでに止めてあるハックル、ウィングを避けながら、かつ綺麗にボディーを巻いていき、最終的に、アイの根元ではスレッドだけになるようにします(フライの頭をスレッドで巻けるように1mm程度の巾を残します)。 そしてスレッドをアイの根元に垂らして置きます。

cahilbody3.jpg (43802 バイト)

いよいよハックルをフックボディーに巻きつけます。 
ハックルプライヤー(ハックルをはさんで巻きやすくするための道具)でハックルの先端部をはさみ、右手でハックルをフックの周りに巻いていきます。 この際、テンションを緩めると、せっかく巻いたハックルが戻ってしまいます。 常に一定のテンションを掛けながら巻いていきます。

ウィングの後ろ(1〜2mm固定してありますよね)からハックルを2〜3巻きし、ウィングの前でまた2〜3巻きしてから、スレッドで残ったハックル先端部を2回ほどアイの根元に強く巻きとめます。 ハックルを持ち上げ、ハックルの下側にも2回ほどスレッドを巻きます。 
スレッドのテンションを緩めないように垂らしておきます。 そしてハックルをはさみの先端部でカットします。

注: ワシの場合、ハックルは巻いたあと、アイの根元でスレッドで巻きとめる方法でやってます。
ここんところは色々な巻き方のバリエーションがあり、ハックルとスレッドを逆方向に巻きながら逐一ハックルを巻きとめながらアイまで移動してくる人もおります。 この場合は、ボディの巻き方とスレッドの置き位置が変わりますので、研究してください。

cahilhackle5.jpg (38436 バイト)

そのままスレッドテンションを緩めないように注意しながら、フライの頭を作るためにスレッドを巻き、ホイップフィニッシュします。

cahilhackle6.jpg (43376 バイト)ホイップフィニッシュ

最後にスレッドにヘッドセメントを垂らします。

ライトケイヒル、完成デス! 
完成後、ハックルの下側をはさみで水平にカットしておくと、水面に乗ったときの姿勢が安定します。 水面に高く浮かせたい場合は、カットしません。 水面にへばりつくようにしたければ、多めにカットします。

cahilcomp.jpg (41742 バイト)

 

アダムスもこの方法で巻けますが、アダムスの場合、

ウィングには、白いカーフテールか、正統アダムスの場合、ヘングリズリーハックルの先端を2枚使います。
また、テールにはグリズリーとブラウンの毛を混合し、ハックルには、グリズリーとブラウンの羽を各1枚計2枚使います。 グリズリーとブラウンの毛足が混ざると、なんともいえない良い感じになります。毛を混合するには、グリズリーとブラウンの羽各1枚を重ねてから逆毛を立てて、同時にむしると混合できます。

以上。

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